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科学技術の進歩とともに変わってきた世の中の不穏な空気

科学技術が進歩し、人工知能AIの技術進化により人手不足が解消されると日本でも大いに期待されていますが、それは喜ばしい事ばかりでしょうか。人間が、特に日本が誇ってきた勘による長年の技術の継承が途切れる心配があります。直近ではAI兵器の登場など、世の中に不穏な空気が更に流れそうです。

また、氷河が溶け出し海水位が上昇していること、干ばつや異常気象の増加など、地球温暖化がこのまま進んでいくと生態系が大きく変わり、人間が生活することさえ困難になっていくと、2015年国連で制定された「SDGs」の中で指摘し、地球温暖化による気候変動の問題に具体的な対策をとる事、海や陸の資源を守ることなども盛り込み、各国に実施を求めています。ことに飢餓や貧困問題が深刻な国々があり、2017年の国連総会において、2019年~2028年を国連「家族農業10年」と定め、加盟国及び関係機関等に対し、安全保障確保と貧困・飢餓撲滅に大きな役割を果たしている家族農業に係る施策の推進とそれに関する知識・理解の共有を求めています。

2023年は、「家族農業」の4年目です。農民運動全国連合会(農民連)発行の新聞新年号、道東勤医協友の会の新年号では「マイペース酪農交流会」の事を大きく紹介しています。30年前から地道に家族農業のモデルとなるべく実践を積んできた農家さん方のつながりです。人間および牛の健康は土壌からと、自然界の循環を壊さない酪農を目指し営んでいます。

「リンゴの会」立ち上げの背景

リンゴの会は、4年前「奇跡のリンゴ」で知られる青森のりんご農家木村秋則さんに講演をして頂いた事から、釧根を中心に活動している「マイペース酪農交流会」の酪農家さんとも出会い、「自然栽培学習サークルリンゴの会」を立ち上げ、作物つくりに大切な土壌の事など酪農を通して学んできました。

また「アニマルウェルフェア畜産協会」の会員さんも仲間に加わって下さり、飼育の仕方でストレスが増すと病気になりやすい事など教えてもらっています。人間も動物も一緒です。そして家畜は私たちの口に入るものです。安全な野菜と同じく、家畜の健康に関心を持つ事も大事なのだと気付かされます。

そして農薬・除草剤・化学肥料についてはいまだに日本では野放しです。農薬の問題は中国の野菜が農薬まみれという事で、一時よくマスコミで取り上げられていました。日本の農業も一斉に意識を上げたかというと、有機農業を積極的に進めた農家がある一方、いまだに農薬や除草剤、化学肥料を多投入している農家も多い現実があります。これらの使用は人間の健康を害すること、地中の生き物や地上の小さな生き物にまで影響を及ぼしている事も学びました。

深刻化する日本の現状

日本の現状はというと、幾種類もの除草剤が普通に店頭に置かれ、農家ばかりか、多くの人がテレビコマーシャルのせいもありますが、安全性への疑問を持たずに買い求めています。アメリカでは除草剤で健康を害したとして2018年から訴訟が起こされ、巨大企業のモンサント社が巨額の賠償金を支払う裁判の判決が数多く下されてきました。それほど、海外では健康や環境を破壊するとして問題視されています。

しかし、まだまだ日本ではその情報が共有されていません。そればかりか、国は2019年種子法を廃止し、農家が野菜の種をこれまでのように扱えなくし、しかも化学肥料とセットで毎年買わせるような仕組みをつくりました。農家さんの負担は相当大きくなりますし、有機農業を後押しすると政府が2021年9月に打ち出した施策と大きく矛盾するものです。

「蜂がいなくなると植物も育たなくなり、我々が食べる物すら無くなる」とはアインシュタインの言葉ですが、「奇跡のリンゴ」で知られるりんご農家木村秋則さんもその事を指摘しています。

そして更に考えなくてはならない事が食料自給率です。日本の食料自給率が37%まで低下しています(2021年8月発表)。コロナ禍や豪雨や干ばつもあり、海外でも生産が減るなど、他国に回す余裕がなくなり輸入が極端に減ることも大いに有り得ます。現にその兆候は見られています。もう待ったなしの状況です。そこに立ち向かうためには、私たち消費者がより「食とくらし」についての正しい知識の習得と実践、またそれらを広める活動が必要であると考えます。

そこでこれまでリンゴの会が学んで来た事を大まかにまとめてみました。酪農は土壌がいのちです。だから農業なのです。酪農に詳しい方々から学んだことをお伝えします。道東の「マイペース酪農交流会」の取り組みもご紹介します。

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